Act.5

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(俺が殺される.....) 「伊藤、悪いがそれは教えられん」 「なんでですか?」 「こ、個人情報やからなぁ」 「えー」 紗名はつまらなそうな顔をしていた。その一方で、光は機嫌が戻り二人を無視して外を眺めていた 「伊藤、これ解いてみぃ」 烝の授業の質問はいつもどこか難易度が高い。当たり前のように紗名は難色を示す。それに光はひそかに苦笑する (烝、皆あなたと同じ頭してんじゃないよ) 「伊藤、解けないんなら解けそうな奴にチョーク渡してきぃや」 そう言われると紗名は嬉々として光に向かって来る。それから逃げるように外へと視線を外すが 「光、よろしく♪」 (酷い....) 溜息を漏らしながらすくっと立ち前へ出る。その瞬間に漂う香に紗名は、はっとした。光が答えを出すと皆から感嘆の声が漏れる 「佐伯、よぉ出来たなぁ」 (そりゃどうも....) 放課後 「光~、さっきはごめんねぇ」 解りそうな人が光くらいだったしと紗名は手を合わせて謝る。それに苦笑した 「まぁ気にしないでっ」 紗名はそう?と言うとあることを思い出した 「ねぇ前から思ってたんだけど光って烝先生に似てるよねぇ」 「....はっ?」 状況が読み込めず一瞬間が空く。それを面白そうに笑うと紗名は続けた 「雰囲気がねぇなんか凄くそっくり」 「アハハ....そうかなぁ?」 (似たくない....) 「絶対似てるって!」 豪語する親友に溜息が漏れた .
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