はいこれ

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「はいこれ、こんなんしかないけど」 安西と神野をソファーに座らせ、キッチンになにやら取りに向かった新山は、3本の発泡酒を持ってリビングに戻ってきた。 「あ、ありがと。」 「お構い無くちょうだい!」 口々に御礼をのべる二人に。 「安西…なんか日本語おかしくねぇか…?」 新山が突っ込んだのは聞こえなかったことにしよう。 暫くすると机の上には発泡酒の空き缶が8本ほど無造作に置かれていた。 「全く…安西飲みすぎだっつーの、ちょっとは遠慮しろよ」 8本の内一本は新山、2本は神野、残り5本は安西が飲んだ。 もう既に酔っぱらった安西に神野はため息を溢す。 「えへへ~、ぜ~んぜん大丈夫だよ~!!」 「安西なら大丈夫ですよ、もっと飲みます?」 そんな神野の心配など聞く耳を持たず、安西はまた一つ缶を開け、流し込むかのように飲んでいく。 「鳴海…お前どうした?」 何時もより気前のいい新山は神野にしては怪しすぎる。唐突に問い掛けると新山はニヒルに笑ってみせた。 「んふふ…まあね、…安西、今日何しにウチに来たの?」 「え~?なんかね、ジンジンとナルに彼女が出来たんじゃないかって話になって~、まあ偵察みたいな?」 神野は頭を抱えた。安西に気前よく酒を飲ませたのは酔わせて本音を言わせる為だったのか…
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