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今は二人で街道を歩いている。
ーソリアと言う街でさっき商品を渡したエラールが飲食店を営んでいて、特別な香辛料をルール商店…ルーディ達の親に依頼し、彼らが配達に来たと言う流れだ。
ちなみにソリアからルーディ達の家がある、アスカナまでは徒歩で3日ほどだ。
ソリアからアスカナ方面に行く途中にある小さな村があるのだが、そこまで行くのに約半日かかる。
だから、早く街を出ないと陽が沈むと言う訳で、街道を歩いているのだ。
「兄さん…」
不意にエディアが不安そうな声を上げる。
「ああ。分かっている。エディアは下がれ!危ないからな」
ルーディは手でエディアを下がらせ…
「ほう?俺達がよく分かったなッ!お前たち…商人だろ?なら、分かるだろう?」
そう…
陽が沈むから早く移動したかった以外にも理由はあったのだ。
商業として大きな街であるアスカナとソリアは、商人が多く出入りしている為に、その商人を狙った盗賊の類が頻繁に出る。
これもルーディが危惧していたもう一つの理由だった。
「お前らは盗賊か?俺は盗賊に用はねぇけどな」
「ー盗賊だと?違う!我らは、義賊だ!裕福な商人から品物を頂いて、困っている人に配る。だから断じて盗賊などと言う輩ではな~いッ!」
少し間の抜けた声を発して、ルーディ達を威嚇する。
「ー同じ…だよね?兄さん」
「ふ。そうだな。当人が何と言っても奪われる者にとっては、盗賊も義賊も同じだ」
薄汚れた、みの虫みたいな格好をした義賊?が吠えた。
「何を話しているのだ?我らの声が聞こえなかったか?あるいは、恐怖で逃げる算段でも……ぎゃッ!?」
いかつい義賊もどきのリーダー格の顔面にいつの間にか抜きはなった銀の剣の腹でルーディは力いっぱい叩いた。
嫌な笑みを零しかけながら声高らかに語っていた、義賊もどきのリーダー格は情けない声を出して…しりから地面に落ちた。
「てめぇ!!何しや…が…るぅッ!?」
義賊もどきの子分の一人がドスの効いた言葉を吐いたが…最後は何故か声が裏返り、すっとんきょうな声になっていた。
「ああ?なんだ?」
ルーディも剣を片手に、義賊もどきの様子が一変した事に首を傾げた。
「お、お前ッ!?まさか…ルーディ・ルールかッ!!」
「ああ!?そうだが…それがなんかあんのか?」
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