第6章

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「必要があるかって…当たり前じゃない…ここ3ヶ月ずっと会えなかったんだよ?」 「―え?―ああそうだっけ」 森澤は笑っている。 「ごめんごめん、お前のことすっかり忘れていたよ」 「―忘れていたって…」 「もういいかな?用がないなら切るよ」 「―先生…待ってよ!」 電話口からため息が聞こえる。 「―何だよ」 「―会いたいよ…」 森澤は笑う。 「―お前はやっぱり馬鹿だな。捨てられたのに気付かないなんて」 織衣は体がぐらりと揺れている気がした。
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