Sweet Memory

2011年～ｼﾞｭｰﾝﾌﾞﾗｲﾄﾞ～

織衣はそれから、甘い愛の言葉は一切信じないことにした。

彼氏は何度か出来たけれど、本気で愛することはなかった。

―結婚だって…愛しているから決めた訳ではない。

「―先生…！」

(私…何で走ってるんだろ…？)

森澤が振り向いた。

心臓が激しく高鳴る。

(―私…やっぱり…先生のこと…)

森澤は驚いた様に織衣を見ていた。

「―何でこんなところに…」

懐かしい声、仕草、手､瞳…