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「―へえ…旦那はニートか?」
「いえ、銀行員です。父がリストラにあって休職中で、亮が大学出るまで私が稼がなきゃならないんです」
「そうか…」
こんなこと話してどうするのだろう?
「……先生…」
「―じゃあ、そろそろ行くよ」
「―あ…」
織衣は森澤の腕を掴んだ。
すると弾みで森澤のズボンのポケットに入れていた手から何かが落ちた。
「―あ…ごめんなさい…」
織衣が拾おうとして、屈む。
「―…」
森澤が慌てて拾い上げた。
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