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「あ~ゆ~!!」
「ん~。
はよ、満-ミチル-」
朝、家を出て歩き出すと後ろから名前を呼ばれ…
声だけで誰か判断して挨拶する。
もう何年だろ……
年齢と同じに近い年数を一緒に過ごしてる……。
「愛結は、優しくない」
「朝イチから何さ……」
「だって、いっつも俺が時間…合わしてるじゃん…
愛結は、一度も俺の事…待った事ないでしょ?」
「……うん、そうだね」
朝から始まる小言……
別に、約束してるわけじゃない……
正直、高校生になってまで一緒に行く理由もわからない……
でも、嫌だったら時間ずらせばいいのに…
私も何故か毎日、同じ時間に家を出てる……。
「なにそれ…冷たいなぁ……」
「……満、うるさいよ~。
さっさ歩かないなら置いてくからね」
「うるさいは、酷いよ~。
でも、置いてくな~!!」
そんなつまらない会話をしながら学校までの道を並んで歩いた……。
「愛結、満!
おはよ~」
「はよ~」
「おはよ」
学校に着くと、同じクラスの男子が挨拶してくれてる……。
私達の通う学校は、九割が男子……。
なんせ、元男子校だからね…
誰かさんがモテるせいで…
小、中とハブにされて…
女子が苦手になったんだよね……。
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