私の(俺の)恋人。

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  満の待っている、マスターの店に行くと…… 店の端で尋常じゃないくらい凹んでるマスターを見て… 声をかけずにはいれなかった……。 私の声に気づいた満が、血相をかえて私を見た……。 「う、裏口から…… バイトの癖がね……?」 「裏口とか…俺、こっちから来ると思ってたから……」 満の迫力に少し、怯えながら答えると満は、呟きながら… 力が抜けたのか床に崩れおちた…… 「ごめんね……? 大丈夫…?」 「大丈夫…それで颯は……?」 崩れおちた満に謝り、尋ねると満はゆっくり立ち上がり… 颯の事を聞いてきた……。 「うん、ちゃんと断ってきたよ… 颯が『よかった』って言ってくれた…… 後、『これからもダチだからな』って……」 「そうか…ならよかった……」 私の答えを聞き、満は安心したように微笑んだ……。 颯の告白を邪魔した事に負い目を感じてるのかな…… 私の伝えた…颯の言葉に心底、安堵してるように見えた…… 明日からも…今まで通りだったらいいなと思うのは…… 私の我が儘だけど… そう願う事は、許してもらえるかな……? 「それでマスターは、どうしたんですか?」 「悠紀は、大したことないから放っておいていいよ」 私の質問に樹さんがふわりとした笑顔で答えた……。 きっと…樹さんの何気ない言葉に凹んでるんだろう…… まぁ…それが樹さんの計算だったりするから… 未だに、樹さんの本質を掴めないでいる… マスターに聞いても… お前が知る必要はないって言われるのがオチだけど……。 ふわふわしてそうな樹さんにしっかり手綱を掴まれてるマスター…… 私の知る限り… 一番最強なカップルだと思う…… 色んな意味で…………。 .
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