プロローグ

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ゴミを片付け、駅までの道を進もうした瞬間、ふと後ろが気になり振り向いてみた。 電車の影響で込み合っている店内の中、俺は自然とある席に目を向けていた。 そこに座っているのは赤毛の男。足を組んで手に持った本を読むことに没頭している。 「おい湖池、何してるんだ?置いてくぞ~?」 和春の言葉で我に返り、赤毛の男から視線を外す。なぜ急にあの男の方を向いたのか自分でも分からない。 「ああ、わりぃわりぃ」 男に背を向け、実は暗殺者だったり…とか失礼なことを考えつつ二人の後を追った。 その際、俺は気づくことができなかった。背を向けた瞬間、男の頬が緩んでいたことに…
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