†第一章†

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(理事長室って、何処だろう?) 一番始めに理事長に行けと言われていたのを思い出した俺は、無駄に広いロビーを見渡した。 人に聞こうにも、俺がぼんやりしている間に、あれだけいた生徒がいなくなっている。 (一体、どこに消えたんだ?) 一人取り残された俺は、仕方なく自力で探すことにした。 自分の姿が映るくらい磨き上げられた床を傷つけないかヒヤヒヤしながら歩いていると、突き当たりにエレベーターがあった。 近付くと、壁に何か書いてあるのがわかる。 俺は文字を読むために、顔を近付けた。 『理事長室 5階』 (……成る程ね……) 広いは広いなりに考えているわけだ。 俺はエレベーターのボタンを押して、中に乗り込んだ。 変わっていく階数表示を見ながら、あまりのカルチャーショックに、しばらく立ち直れない気がした。
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