†第一章†

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心なしか、周りに遠巻きにされている気がする。 まぁ、俺もこんな得体の知れない奴がいたら、まず避けると思うが……。 (……しかし、無駄に広い学校だな) 邪魔な前髪の隙間から見える校舎は、まるで中世の城みたいだ。 今時、レンガ造りなんて、古風なのかメルヘンチックなのかよくわからない。 校舎の中に入ると、大理石のロビーが一面に広がっていた。 (ここは、何処の高級ホテルだよ!?) 俺は呆気に取られて、その場に立ち尽くした。 これなら、あの馬鹿高い授業料も納得出来る。 侑から設備が整っているとは聞いていたが……、これはやり過ぎじゃないか? 夏は蒸し風呂、冬は修繕されることのない割れた窓から冷気が入る前の学校とは大違いだ。 そして、通ってる生徒も全く違う。 ここじゃ、バッド持ってガラス割りまくる奴なんているわけないしな。
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