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日付が替わると同時に君は微笑んだ。
「誕生日おめでとう!錫也!!」
月が替わり、7月1日。
今日は俺の誕生日。
月子と恋人同士になって初めて迎える誕生日。
今日は特別な日になりそうだ。
「一番におめでとうって言えて良かった」
無邪気な笑顔が月明かりに照らされて眩しく見えた。
「月子に一番におめでとうって言って貰えて俺も嬉しいよ」
「そうだ!プレゼント持って来たの…えーと、あっあった、はい」
綺麗にラッピングされた箱。
開けてみると、
「青いエプロン」
「そう、私と色違いの。これ着けて一緒に料理しようかなっと思って…」
本当に期待通りというか、月子らしいというか。
「なぁ、もう一つ欲しいものがあるんだけど」
「何?私が出来る事ならなんでもするよ」
「じゃあ、目閉じて…」
「?ぅん…」
俺の言うことに素直に従って目を閉じた月子にキスをする。
チュッ──…
驚いて目を開けた月子が真っ赤になりながら口を押されている。
「い、今!キ…んっ」
もう一度キスをする。
「なんでもするって、言ったよな…」
逃げられないようにしっかり抱き締める。
「…す、錫也…」
「大好きだよ、月子…」
隣で微笑む君を抱き締めて、ずっと放さない。
「誕生日、おめでとう…錫也」
君からの言葉が、キスが何よりも嬉しい誕生日プレゼント。
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