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潮の匂いがする。
波の音が静かに響いてる。
砂浜の感覚は心地好くて裸足で歩く。
「流石にまだ冷たいかな…」
ゆらゆらと揺れる海水に足を浸ける。
「転ばないように気を付けろよ」
そう言って差し出された手をしっかりと握った。
オレンジ色の髪が光を浴びてキラキラと輝いて見えた。
「先生」
「どうした?」
私は思い切って彼の頬に唇を寄せた。
「誕生日、おめでとう…直獅さん…」
真っ赤になりながらも彼の名前を呼び、お祝いの言葉を贈った。
「おまッ…それは反則…」
彼の頬がみるみる赤くなってゆく。
「直獅さん?」
「…その、ありがとな。でも、キスするなら…こっち…な」
彼の唇が私のに重なる。
触れるだけのキス…。
甘い…。
「HappyBirthday…直獅さん。大好きです…」
重なる影、暖かい腕に包まれる。
波風がそよぐ…。
夏の日──…。
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