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誕生日プレゼントだと言って渡された少し大きめの箱。
薄緑のリボンが不格好に巻かれている。
「あのね、幼馴染みと一緒に作ったから味は大丈夫だと思うの!でも、その~」
形が悪くなってしまったと謝る彼女。
しかし俺には形以前に気になる事があった。
「東月と作ったのか…」
料理が得意な月子の幼馴染み、東月錫也。
彼はいい奴だ。
それは分かっている。
しかし彼は月子に好意を抱いている。
彼氏としては気に食わない。
「錫也がね、宮地君はクリームが好きだからいっぱい乗せたらって言ってたくさん作ってくれたの!だから…」
「月子」
「どうしたの?み─ッン!?」
思わずキスで口を塞ぐ。
それ以上、俺の前で他の男の話をしないでくれ!!
「ん──ぁ、はぁ…」
「クリームよりも、甘いな…」
ちゅっと音が聞こえるようにもう一度キスをする。
「俺の前で、他の男の話をしたお仕置きだ…」
「み、宮地君…キャラ違わない?」
さぁ、どうだろうな…。
俺が自分を崩すのはお前の前でだけだ…。
ゆっくりとお前の上に覆い被さるように倒れていく。
「ま、待って!!」
「?」
月子の柔らかい唇が頬に触れる。
「誕生日おめでとう、龍之介…」
反則だ。
今日は絶対に放してやれない…。
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