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それにしても私の入った会社はかなり変わっていた。
今思い出しても気分が滅入るくらい…。
社長を筆頭に奥さんが専務、奥さんの弟が部長、娘が事務、二人の営業さんに、残り十数人の加工の人からなる家族経営の小さな会社だった。
社長はいつも何をしてるか分からないし娘はいつも堂々と遅刻してきた。
私の仕事はデザインとは名ばかりで電話応対と雑用…大学出たばかりでバイト意外キチンとした社会経験もない私は何をしたらいいかさっぱり分からず電話応対すらまともに出来ず毎日部長に怒られてばかりだった。
毎日凹んでばかりで 入って1ヶ月で何の為にこの会社にいるのか分からなくなっていた。
家に帰っても一人。 泣き言を言う相手も慰めてくれる彼氏もいない。
今更辞めてもどうやって生活していけばいいかも分からず途方に暮れていた。
それでも一時間半かけて電車を乗り継ぎ不便な道のりを毎日会社に通っていた。
面接の際、事務所が近々大阪市内に移るからそれまで遠いけど我慢して通勤してほしいという社長の言葉を信じて…。
…結局この話は後に流れることになるとは露知らず…。
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