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「………。」
「……。」
しばらくの沈黙が二人の間に流れる…。
「なっ、な~んや冗談やって。
こんなおっちゃん、みちるちゃんが相手する訳ないしなぁ~。あんまり楽しいからついなっ、ハハハ…」
柴田さんは苦笑いしながら頭を掻いた。
なぜだかそんな彼に 母性本能をくすぐられる自分と…
もう少しこの人と一緒にいたいなという気持ちが自分の心にポッと生まれるのを感じた。
そう思ってしまうと惚れっぽい自分がムクムクと顔を出してきた。
大好きだった元彼と別れて忘れる為に一晩だけの付き合いをした人も何人かいた 。
誰かの温もりが孤独な私には必要だった。
もう時計は10時半を回ろうとしていた。
今から家に帰っても12時を回るのは確実だ…明日会社に行くには朝6時前には 家を出ないといけない…。
どうせ帰っても誰もいない部屋に寝に帰るだけ。
私は顔を上げて柴田さんを真っ直ぐ見た。
「…いいですよ。… どうせ帰っても誰もいなくて淋しいだけだし…
私、柴田さんなら朝まで一緒にいても…
…いいです。」
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