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その頃新しくトラックの運転手をしているある人の名前が旦那の話しに良く上がるようになった。
仮に山口さんと呼ぶとしよう。
会社でも今まで仲良くなる人がいなかった旦那が何やら彼とは上手くやってるようで、仕事もでき、いろいろアドバイスもくれる存在になっていたようだった。
私は旦那にそんな人が現れるなんて意外だったが嬉しそうに話す旦那を見て内心ほっとしたりしていた。
彼は年下だったが、面倒みもよく、自分の使わない作業着や服をくれたり、仕事の道具屋で安い店を 教えてくれたりした。
以前は建設会社で専務をしてたという事でお金も結構持ってるみたいだった。
でも白黒筋を通さないと気が済まない性分らしく、次第に旦那の仕事のやり方にあれこれと口を出してきた。
その頃会社の中でも上のやり方に職人も殺伐とした雰囲気の中での仕事で、皆イライラや疲れを隠せない感じだった。
仕事を10年もしてきたのに上司が変わり、旦那の事はますます認めてもらえず、山口さんからもキツい指示をされるようになり、段々と会社で孤立しているようだった。
その頃からか旦那の様子がおかしくなり始めた…目に精気がなく、眠れないと訴えるようになった。
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