忍び寄る鬱

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私はどんどん不安になりました。 何度も何度も携帯に連絡してもかかりません。 「いったいどうしたん?」 「心配してるよ。仕事でなんかあったん?」 「早く帰ってきて!」 メールも何度も入れて旦那から返事が返ってくるのを待ちました。 夜の11時を過ぎた頃旦那からやっと連絡があたのです。 「かっちゃん!大丈夫?今どこ?」 「…分からないけど…多分三重県…。」 「どうしてそんなとこに…。」 「朝は会社に行こうと思って…でも…会社に行く道で曲がれず…気付いたら車を真っ直ぐ走らせてたんや…。」 私は言葉に詰まりました。 「俺もう今の会社無理かもしれへん…。とにかく嫌で嫌でたまらないんだ。 みんなの視線が怖いんだよ。俺の悪口言われてるんじゃないかって…。」 「大丈夫だよ。気にしすぎだよ。とにかく帰ってきて、疲れが溜まってるんだよ。何日か会社休んだらいいやん。…ね。」 「…とにかく帰るよ。…ごめん、みちる。」 「分かった、待ってるから。気を付けて帰ってきてね…。」 この時旦那は前の奥さんとの娘にも、どこか行ってしまいたいとメールをしていたようでした。 思えばこの時気付いていれば良かった…旦那の精神状態が鬱 だという事に。 分かっていれば会社を辞めさせていたかもしれません…。 まさかこの時はあんな事が私の人生に起こるなんて思いもしなかったからです。
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