出会い

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そんな時一本の電話が私の所にかかってきた。 相手は大学時代の他の科の男の子。 …電話番号教えたことあったかな…というくらい、たいして親しくもない子からの電話だった。 ここから運命の流れが大きく変わり始める。 「知り合いの社長さんがデザインできる子探してるんやけど井口さん(仮名=私)面接受けてみない?」 卒業してからその子と話した事もなかったはずだし、なぜ私が仕事に就けず困っているのかを彼が知っていたのか分からないが、私は天の助けとばかり彼の話に飛びついた。 話によると彼が住む奈良にほど近い場所で建設関係の社長さんがデザインが出来る若い子を探してるという。 しかも正社員で。 デザイン会社といえ不況のあおりを受け中途採用となると即戦力が見込めない人はまず採用されない。 一度は諦めたものの願ってもないチャンスだと私は思った。 これで正社員となれば実家の親にもいい顔できる。 私は彼の話を受け数日後、面接を受けることにした。 …4ヶ月後、この会社の社長に付き合い始めたばかりの主人と二人座らされ、どちらかが辞めてくれと言われようとは…この時の私には予想だにつかないのだった。 この時から私の試練は既に始まっていたのかもしれない。
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