前進。

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ポケットの中で震える携帯を取り出すと、着信相手は総兄だった。 「もしもーし!総兄?久しぶり~!」 『おう!琴古!今時間大丈夫か?』 「うん。まだ昼休み半分くらいあるよ。」 久しぶりの総兄の声に心がウキウキする。まぁブラコンの自覚はあります。年が少し離れてるせいかな?本当に総兄が大好きなんだ。 『この前送ってくれた音源聴いたよ。お前ら腕あげたなぁ。』 「やったぁ!」 そんな大好きな総兄からの褒め言葉。これ以上嬉しいことはない。 そして思ってもみない台詞に一瞬頭が真っ白になった。 「え!!!・・・・・・う、うん・・・・わかった。じゃぁまた電話するね。」 ちょっと震える手を押さえつつ、通話を切った。 「琴古?どうしたん?総くん何だって?」 不思議な顔してあゆむがうちの顔を覗く。うちもあゆむに視線を向けるけど視界がぼやけてちゃんと見えない。
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