プロローグ。

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「おやおや、もう会ってたのか?」 お兄ちゃんにどことなく似た歳の割りにはシュッとしているあたしの父・桧山 裕介(ひやま ゆうすけ)。 「お父さん! どこほっつき歩いてたのよ!」 突然いなくなって突然帰ってきたお父さんについ怒鳴ってしまった。 これじゃ、ヒステリックな女じゃないの。 はぁ~……。 「(ナイス! おぢさん!)」 和寿さん、何か変な顔してる。 ま、いっか。 「いや~。 ちょっとね。 まぁ、和寿君が無事来てたからよかったよ」 誤魔化された? 今あたし誤魔化されたよね、うん。 「ご無沙汰してます。 これからお世話になります」 和寿さんはお父さんにご丁寧にぺこりと一礼する。 さっきまでのあたしへ対しての態度は何処へ? 「どういう事? 説明してよ」 突発的過ぎて状況が把握できないわ。 あたしは露骨に眉間にシワを寄せる。 「まぁ、慌てなさんな。 もう営業時間だし後でちゃんと話すから」 そう言ってお父さんはそそくさと出て行った。 「……ったく」 いつもそうなのよね。 罰が悪くなるとすぐああやってとんずらするんだから。 「なぁ」 苛々してるあたしに和寿さんが話し掛けてきた。
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