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「あん?」
思わず睨んでしまった……。
反省。
「えっと……。
マジで俺が来た理由知らないのか?」
案の定、和寿さんは怯えてる。
……ってか、『来た理由』知ってるなら驚かないし。
「知らない」
わざとあたしはプイッとそっぽ向く。
「参ったなぁ」
あたしの反応に和寿さんは頭をポリポリとかく。
「勿論、教えてくれるわよね?」
ジロリとあたしは和寿さんを見る。
「あ……あぁ。
実はな、今日から『居候』になるんだよ」
しどろもどろに和寿さんは答える。
「へぇ、そうなの。
って、え?!」
あたしはダイレクトにノリツッコミをする。
「(相変わらず激しいな。)
おじさんが下宿屋始めるからその……管理人してくれないかってさ」
騒がしいあたしに和寿さんは若干呆れてる様子。
「下宿屋?
そういえばあたしが小さい頃やってたわね。
何でまた急に再開しようと思ったのかしら」
あたしがまだ小学生の頃、まだお母さんが生きていた頃ウチは下宿屋をしていた。
ばあちゃん曰く元々、ウチは温泉旅館をしていたらしく部屋が一杯あったから……との事。
「確かにそうだよな~」
ん?
お兄ちゃんの声?
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