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「お兄ちゃん!」
うわっ。
いつ帰ってきたのかしら。
お兄ちゃん、忍者みたいだわ。
「あ、おどろかしたみたいだな。
スマン」
お兄ちゃんは申し訳なさそうに謝る。
……人がいいんだから。
「いっちゃんは?」
迎えに行ったはずのいっちゃんの姿が見えない。
「部屋で寝てる」
部屋の方を指差しお兄ちゃんは答える。
「お義兄さんお邪魔してます」
和寿さんはわざわざ立ち上がりお兄ちゃんに一礼する。
昔から和寿さんは凄く礼儀正しいんだよね。
崩したとこがないというか……。
「おお!
和寿、到着早かったな」
和寿さんの顔を見るとお兄ちゃんは満面の笑みを浮かべる。
お兄ちゃんと和寿さんは昔から仲がよくつるんで遊んでいた。
今からはあまり想像がつかないけど、暴れん坊で悪さ坊主だった。
よくくだらない悪戯して二人は怒られてた。
そのくだらない悪戯の被害にあうのは、あたしや和葉さんだったという……。
「お兄ちゃん、和寿さん来るの知ってたの?」
そうだよね。
お兄ちゃんの反応、明らかに可笑しかったもん。
「まぁな」
平然とお兄ちゃんは答える。
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