プロローグ。

12/17
前へ
/25ページ
次へ
「お兄ちゃん!」 うわっ。 いつ帰ってきたのかしら。 お兄ちゃん、忍者みたいだわ。 「あ、おどろかしたみたいだな。 スマン」 お兄ちゃんは申し訳なさそうに謝る。 ……人がいいんだから。 「いっちゃんは?」 迎えに行ったはずのいっちゃんの姿が見えない。 「部屋で寝てる」 部屋の方を指差しお兄ちゃんは答える。 「お義兄さんお邪魔してます」 和寿さんはわざわざ立ち上がりお兄ちゃんに一礼する。 昔から和寿さんは凄く礼儀正しいんだよね。 崩したとこがないというか……。 「おお! 和寿、到着早かったな」 和寿さんの顔を見るとお兄ちゃんは満面の笑みを浮かべる。 お兄ちゃんと和寿さんは昔から仲がよくつるんで遊んでいた。 今からはあまり想像がつかないけど、暴れん坊で悪さ坊主だった。 よくくだらない悪戯して二人は怒られてた。 そのくだらない悪戯の被害にあうのは、あたしや和葉さんだったという……。 「お兄ちゃん、和寿さん来るの知ってたの?」 そうだよね。 お兄ちゃんの反応、明らかに可笑しかったもん。 「まぁな」 平然とお兄ちゃんは答える。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加