プロローグ。

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「『まぁな』って。 何で言ってくれなかったの?」 お兄ちゃん、ドッキリにも程があるわよ。 お陰であたしは和寿さんのナニを凝視しちゃったじゃないのよ。 「いや、美伊奈に言うとややこしくなるからって父さんが……」 はい? 何ですか? その理由は……。 「あのね、あたしもう子供じゃないのよ?」 いつまでも子供扱い。 そりゃ、お兄ちゃんにとってはあたしはいつまでも妹よ。 だけどあたしだってもういい歳なんだから。 「スマン」 また謝ったし。 お兄ちゃんはすぐこうやって頭を下げる。 「……で、何でお父さんが下宿屋再開しようとしてるか理由知らないの?」 あたしはさりげなく話を切り替える。 「知らん。 借り手がなくなって『時代の流れには逆らえんな』とか言ってたのに、急に『下宿屋再開する』なんて言い出したんだよ」 『知らん』って。 それじゃお父さんが独断で決めたって事よね……。 「……そんで、俺に連絡があって『居候兼管理人』になってくれってさ」 付け足すように和寿さんはいう。 「……で、引き受けたワケね」 とりあえずまとめてはみたものの全くもって意味がわかりません。
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