プロローグ。

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あたし、桧山 美伊奈(ひやま みいな)。 27歳。 もうすぐ30歳。 アラサーのあたし。 結婚をすすめる父。 嫁に行くなと止める兄。 結婚が全てじゃないという友達。 あたし、どうしたらいいのかな? あたしの頭の中では葛藤が繰り広げられてる。 『幸せ』ってなんだろ。 『幸せ』って『辛い』って字に似てる。 『幸せ』を考えるのって『辛い』って事? わからない。 小さい頃は『幸せ』だと感じる事がよくあった。 感受性豊かだったからかな。 今はあまり『幸せ』だと感じない。 周りはあたしを『幸薄女』だと言う。 あたしには自覚がない。 だって『あたし』は『あたし』だから。 あたしはあたしの道を生きる。 開き直り? 確かにそうかもしれない。 だけど、あたしは敷かれたレールの上を生きて行くのは嫌だ。 だから、あたしは父が反対する事も断固としてやってきた。 『頑固』や『堅物』ってよく言われる。 言いたい奴は勝手に言っておけばいい。 あたしには母がいない。 男手一つで育てられた。 だから、『女らしく』とか言われるのが大嫌いだ。 女は女らしく男は男らしく。 それで恋人や結婚が出来るなら皆そうしてるし、悩んだりしない。
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