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***
ーーお茶の間ーー
あたしと和寿さんは場所を変えた。
そしてテーブルをはさみ、何故か向かい合わせに座っている。
何、このシチュエーションは。
これじゃまるでお見合いじゃない。
ギャーッ!
あたしってば何考えてるの!
ナニ……。
もろに見たし。
ま、まぁ。
長身でソフトマッチョ、サラサラの茶髪に切れ長の綺麗な黒いすんだ瞳。
黙っていればイケメンだけどね。
昔は黒縁グリグリ眼鏡の地味男(じみお)だったんだけど、変われば変わるものよね~。
いや、土台はよかったのかもしれないわね。
「久しぶりだな。
元気してたか?」
呑気にお茶を啜りながら、和寿さんは話し掛けてきた。
何故か妙にニコニコしてるのがカンに障る。
「元気だけど……目に悪いものみたわ」
あたしは平静を装い、わざとらしく目を手で覆った。
「なっ……!
俺のナニを悪く言うんじゃない!」
自分のシンボル的なナニを悪く言われ、和寿さんは少し気を悪くした。
「あ~。
目が腐る。
目が腐る」
あたしはわざと意地悪を言う。
昔からそうなのよね。
何か和寿さんからかいたくなるのよ。
反応面白いしね。
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