♯002 聞かせて下さいキミの声

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.  開いた扉からわずかに人が降車して、人を掻き分けながらホームで待つ人たちが乗車し始めた。  列の最後尾にいたあたしは駅員に背中をぎゅうぎゅう押されながら、なんとか乗り込むことができた。  ――ぐ、ぐるぢぃ……。  あたしは声にならない言葉をうめくと、ドアと人に挟まれながら3つ先の駅に到着するまで、頭の中でシミュレーションをはじめた。 .
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