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女という生き物の変化は目覚ましい。一年ですから時の流れに関心するしかないというのに、十年以上も前のおぼろげな記憶と、この目の前にいる女性を重ね合わせるなんて、到底無理な話だった。
「私よ、さつき。…えと、永山って言ったほうがわかるかしら?」
「…………………」
彼曰く薄情な私には、しかし名前だけでは思いだせなかった。
……横で久喜が「さいてーっ!」と彼女を真似ていうことに苛ついたのは私のせいではないだろう。
彼は非常に落ち着いた男であるが、たまにこういうおちゃらけた態度をとる。それがいいという女性もいるのだから、女はわからないというものだ。
「あー……、そうね。あと、クラス委員とかしてたかな」
「クラス委員………?」
そういえば、それは記憶にあるような気がする。確かあまり目立たない風貌で、地味といっても過言ではない服装をしていた。そして、
「眼鏡みつあみ」
である。
遠慮なく隣が吹き出した。
「…………っあまりにも的確で……ちょっと、すごいな」
「その覚え方はなによ……!! ……まあ、あってるけどね!!」
小島……永山本人も盛大に笑った。
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