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そう、彼女とは、いわゆる幼なじみだった。
家が隣で、小さい頃は毎日一緒に遊んでいた。近所に同じ年頃の子供がいなかったこともあり、私たちはいつも二人だった。
『そうちゃん、だいすき』
だから彼女には私しかいなく、反対に私にも彼女しかいなかった。お互いに依存するのは当たり前で、彼女は幼く笑いながら、よく私にそう言った。
『だいすき。だからおおきくなったら、めぐむをおよめさんにしてね!!』
―――はにかむ笑顔がまだ記憶に残っている。それは確かにただただ柔らかい子供の笑顔であり、いま思い出しても、そう、純粋な――純真なものだったのだ。
けれど、子供の世界なんて、時の流れにすぐに壊されてしまう。
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