落ちる心

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あたし達はトマトジュースで乾杯した。 普段お酒を飲んでも全然顔が赤くならないあたしだけど、今のあたしはこのトマトジュースより赤い顔をしてるかもしれない。 そう思いながら一口飲んだ。 「みんな、同級生なの?」 あたしはなんとなく聞いてみた。 他の男がこの男を『リュウさん』って呼ぶ辺り、同級生な訳がない。 さっきの会話からもなんとなく察していた。 この人達、きっとホストだ。 でもいきなり「ホストでしょ?」なんて聞ける筈がない。 「違うよ。俺と隣の奴が同じ工場で働いてる職場仲間で、あの金髪ロン毛がお得意先の清掃員!」 リュウは金髪ロン毛を指差して言った。 「ちょっとリュウさん!俺、清掃員ってなんですか!」 金髪ロン毛の動揺っぷりに、皆が笑った。 他の女の子が「えー?そうなのー?」とか言って金髪ロン毛を茶化して笑っている間に、リュウはこっちを向いて少し小さな声で言った。 「嘘。分かってると思うけど、俺達ホストなんだ。」
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