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「リュウは、本名だよ。親父が付けたの。」
「リュウ君かぁー。良い名前だね!かっこいい!」
「へへっ。ありがと。」
リュウは照れ臭そうに笑って、あたしの頭をそっと撫でた。
ちょっとー!!
あたしやばいって!
惚れちゃうじゃん!
ずるいよ!
恋愛でボディタッチは効果的とか言うけど、あれは本当なんだ!
きっと今のあたしは暗い照明から見ても分かるくらい顔が赤くなってる。
もう、もてなす側のあたしがこんなでどうするの!
ちゃんと仕事しなくちゃ!
あたしはそれから、どんどん下らない話をした。
コスプレは萌えるとか萌えないとか、本当にどうでも良い話。
リュウがあたしに付け込む隙がないように、ひたすら話した。
これ以上リュウのペースに持ち込まれたら、リュウを見てリュウの声を聞いたら、絶対危ない。
あたしは止まらないロボットみたいに、ひたすら話した。
その時。
「かなさんお願いします。」
ボーイがあたしに席を抜けるように指示をした。
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