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「はーい」
信一は普通に鞄を持って、先生の方へ歩いていく。
前もその前も!
信一と帰る時に邪魔されるのはこれで三回目だ。
信一と帰れた時は貴重なアピールタイムなんだから…!
邪魔すんじゃねぇよハゲが!
残った毛を焼き払うぞコラ!!
……
「信一!信一!」
ハゲのいる教卓まで行きかけた信一を慌て呼び止めた。
まだ手はあるわ!
「下駄箱のところで、待っているから……」
今回は是が非でも信一と帰る。
絶対に逃がさないわ!
「ああ…うんうん」
信一の暗い目が私の上目遣いにばっちりあっちゃった♪
きゃ!ドキドキしちゃった!
え?暗い目?
そんなの光の具合よ!
もう一人の私!
…因みに私はカードゲームは弱い。
ってか小学生以来やってない。
「まだかな~?」
そして下駄箱で待つこと3時間。
アプリのボタンはや押しするやつが、そろそろ8万点を越えそう。
その時ハゲが目の前を通りすがって、こっちに気付いた。
一瞬驚いて、一瞬嫌そうな顔をした。
「どうした大山、帰らないのか?」
お前のせいだ。お前の!
たぎる殺意を抑える。
ハゲがいるなら信一はこの加齢臭野郎から解放されたって事だ。
お説教されてしょげてるだろうから、私が元気つけてあげなくちゃ!
「信一待ってます、先生がここにいるなら…信一はもう帰れるんですよね?」
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