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酒を飲んだ時のコジはやっぱりいつもと違う。
目の奥に潜んだ粗暴さをゆらゆらとくゆらせ、真っ直ぐな目で俺を見る。
普段はめちゃくちゃ優しいのに、『そういう時』になると、無邪気な野生を惜しみなく俺にぶつけてくる。
酒を飲むとそれがなんのストッパーもなく発動してしまうらしい。
「部長もそうだって事を、証明したいだけ」
コジはそう言って、ゆっくりと近づき、俺にキスをした。
コジの今日のキスは、最初から荒々しかった。
あまりの激しさに吐息が漏れて声が出そうになる。
抱きしめられた体が、キスが続くごとにもっと密着していく。
外で聞こえる笑い声とは対照的に、キッチンは吐息と時計の音だけが響いていた。
…あー。
だめだ、だめだ。
理性がふっとびそうだ。
俺は違うって言ったのに、もうダメだって言ったのに。
はずれそうになる理性を、必死で頭の中で繋ぎ止める。
それなのにコジはぐいぐいと俺の気持ちを揺さぶって中に入って来て頭の中まで欲望を注ぎ込む。
情欲で頭が圧迫されて、もう膨らんでパンパンで、
ぎゅーっと胸が苦しくなって足の先まで熱くなって。
それでも食いしばって理性を留めているのに、
どうやら俺はコジには勝てないみたいだ。
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