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俺の視界には、覆いかぶさっている狂平の顔と、
抜けるような青空。
太陽の光が帆の動きに合わせてちらちらと俺の足を照らす。
「誰か来てもいいじゃん、そもそもみんなやってる事だし」
影になってにやりと笑う狂平の顔は、
いつもよりミステリアスで、色気があった。
「浦正は、誰かに見られてる方が興奮するんじゃないの?」
「…っ!!ばかっ…!」
狂平はずるい。
その顔で、その声で、その指先で、
俺のどこを刺激すればどう反応するのか、わかっている。
なんで俺は狂平の言いなりになってしまうんだろう。
昨日だって飽きるほどしたはずで、
俺の体はもうクタクタだ。
気分じゃないと言うと狂平は、
悲しいような、怒ってるような、
またはもっと俺を陵辱してやろうかという劣情をふつふつとたぎらせてるような、
色んな感情が入り混じった目をして見つめてくる。
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