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みんなを集めて話をしなきゃ。
俺はそう思っていた。
晩飯の食材を掴んでいた手を止め、眉間に皺を寄せる。
手の中にあるタマネギをじっと見つめるが、なんの案も出てこない。
チクタクと壁の時計の音がやけに響き、他の食材が俺に掴まれるのを待っている。
部屋の外の甲板で、みんなが釣りをしながら馬鹿話をしているのが聞こえた。
遠くで聞こえるかすかな会話から察すると、今日の晩飯は何かという予想をしているようだ。
あー…どうしよう…
マジでどうしよう…
俺は悩んでいた。
この海賊船のリーダーであるゆえの悩み。
こんなに俺が悩んでるのに、外では相変わらず馬鹿笑いが聞こえる。
真面目に、俺は言いたいんだ。
お前ら、やりすぎなんじゃないかって。
この航海でしばらく何も起こってないからと言って、だらけてちゃダメだと思うんだ。
いつ他の海賊や海軍に襲われるかわかんねーし、
何か不測の事態のための備えや、ミーティングや、トレーニングや…
やるべき事はいっぱいあるはずなんだよな!
なのになんで俺達は!
朝から!
晩まで!
そこらじゅうでやりまくってるんだよ?!
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