第一話 日常の変化は予期せず…

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「おい、レル、お前今暇か?」  教室をでた瞬間に廊下からそんな声が聞こえた。その声の主はさっき教室を出て行った先生だった。 「暇ですけど…何でしょう?」 「最近の噂、知ってるだろう?旧校舎の、あそこに忘れた書物があってよ。俺はこれから会議だからよ、かわりに取って来て欲しいんだよ」 「…一応聞きますが、先生は幽霊とか信じますか?」 「いや、全然」 この先生は魔法を教える担当なのに非科学的なことは(魔法以外)まったく信用しない。そんなんでいいんだろうか…。 「そうですか、わかりました。その用事受けましょう」 「ありがとよ、助かる。書物は明日持って来てくれればいい、じゃあ頼んだぞ!」 そういって先生は上機嫌そうに帰っていった。  旧校舎のあの噂、僕はほとんど信じてないが、確信がないものまた事実、本当かどうか調べるにはいい機会だ。
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