第一話 日常の変化は予期せず…

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しばらくして旧校舎に着いた。気づけばまわりはもう真っ暗だ。確かに噂されるぐらいの迫力がある。 ボロボロな外見、ところどころ錆び付いた柱、壁をのぼり絡みついてるツタ、そしてチラチラ見える魔物の姿…。 忘れていた。この旧校舎は夜になると魔物が出入りするのを…、まあ、そんなに脅威にならないだろうが。 さて、噂は本当かどうか、確かめてみようか。用事を済ませるついでに。 「ふぅ、まだ来るか…はぁ!」 襲いかかって来た魔物を護身用の長剣で切り払う。剣が間に合わなければ避けるを繰り返し、まわりのが一通り片付けると魔物たちは逃げていった。 「まあ、こんなものか」 一階に魔物がいなくなったあと捜索を開始した。古びた刃物、使えそうにない机、その他もろもろはあったが目的の書物はなかった。 探し忘れたところがないか確認すると、その近くに通路をみつけた。 「階段か…上も探してみるか」
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