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「……~ぐはぁ!?」
レルは地面へ直撃した。胴体から。
「痛っ…ここは……どこだ?」
痛みでギシギシくる体をもちあげる。確かに下に落ちたのだが、一階では見た光景ではない。月の光がなく真っ暗で何も見えなかった。
「この手触りは、コンクリート…」
そういえば三十年前ぐらいの建物は地下には、コンクリートを使用されていたらしい。つまり
「ここは地下なのか…」
……。しかし何も見えない。仕方ない、魔法を使うか。
「自然界に集いし炎の精霊よ、我の前にその力を示せ!」
「ファイア!!」
突如炎がレルの手の上に現れた。炎の出現でまわりが明るくなり、今いるこの部屋の様子がわかった。
「あまり魔法を使っていると疲れるからさっさと出るか」
同時に落ちていた書物を取り、出口へ足を進めたが…。
「…?この扉、開かない?」
建て付けが悪いのかと思ってまた扉を開けようとするが、何度やってもその扉は開かなかった。どうやら外側から鍵がかかっているらしい。
さて、本当に困った現状だ。最悪、扉を壊さないといけないと考え始め、後ろを振り向いたら…、
見知らぬ女性がそこにいた。こっちの現状を知らず、ぐっすり寝て…
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