第一幕

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一年間旅をして解ったことがある。それは解ったと自覚する以前、いや、もう旅にでてすぐに修得していたのかもしれない。いや、していた。自然のことすぎて、それが特別なことなのだということを理解するのに時間がかかっただけなのだ。 それは、勇者と呼ばれる者なら誰もがやることだ。例えば… 「タンスタンスーっと」 ヴィクターは48Gをてにいれた 「チッ、しけてやがる」 とか、他にも、 「な、なにするんですかいきなり。私がなにを…うわぁぁぁぁ!」 「雑魚は雑魚らしく倒されて金と経験値よこしゃいいんだよ。さっさとくたばれクソゴブリン」 とか、 「ウホッ、いいエルフ。ヤらせな!」 「え、いきなりなに!? え、ちょっと… キャアァァァァァ!!」 とか、こういうことは当然のようにやってきたわけだが、最近になってこれらが普通ではないことを自覚したのだ。 これは勇者の特権でなんだ。というように、ね。
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