母親

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―――――… ――――… ―――… あの時死んでたら、翔吾や舞さん達には会えなかったんだな? 昔の事を思い出して、そう思う。 母よりも大切な仲間を見つけたことで、生きたいと思ったし学校でのいじめもくだらないと思えるようになった。 大人しくして黙っていれば、どんどんエスカレートするいじめに立ち向かおうと思えたのも、翔吾達がいたからだ。 だから…… 母の言うことは聞かなくても、翔吾の言うことは聞きたいと思う。 そう思って学校にも行ったのに…… 母は今日もきっと帰りが遅いだろう。 私が眠ってから帰ってくるのはいつものことだ。 だからいつもすれ違いばかり…… とっくに期待なんかしてないのに、今日はなんとなく側にいてほしかった。 「ははっ……」 いまさら何を考えてるんだろう。 自分の甘さに笑いがこみあげる。 散々期待して裏切られてきたって言うのに…… 頭を振って母への思いを断ち切ると、気を取り直してベッドから起き上がる。 鞄を掴んで部屋を出ると、また夜の街へ居場所を求めて、この牢獄から飛び出した。
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