夢の欠片

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――――――… ――――… ――… お腹がいっぱいになって眠ってしまった我が子をそっとベッドに寝かして、私はリビングに戻った。 サイドテーブルに飾られた結婚式のたくさんの写真に目を止める。 たった一年前のことなのに、もうずいぶん昔のことのような気がした。 ローチェストに並べられたアルバムを一冊取り出して、ゆっくりソファーに腰を下ろすと、それを一枚一枚めくっていく。 結婚式で私達を祝ってくれるみんなの笑顔がそこにはところせましと並んでいた。 萌ちゃんと宏太先輩…… 二人は今もこちらが恥ずかしくなるくらいラブラブだ。 ブーケに誓って次は自分が宏太先輩のお嫁さんになるんだって萌ちゃんは豪語している。 翔吾のお父さんとお母さん…… 今では一緒に暮らして、お父さんの病とも二人で頑張って向き合ってる。 たまに私や翔吾もお邪魔するけれど、昔のことが嘘のように穏やかに日々を過ごしているような感じだった。
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