窓際の男

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 モニターが変わり、新京都の地図が映った。 「お前の資料とユニオンが確認した行方不明者の最終目撃地点を合わせてみた、赤い点がそうだ」  すると、新京都タワーを中心としたビル街を囲むように赤い点が表示された。   「見事なドーナツだな」 「無責任な事は言えんが、住家が近くにあるんだろう、生物か怪人か知らんけどな」  健一は続ける。 「ユニオンにレーダー監視を依頼している、何かが通れば反応するさ」 「ナイスだ、友よ」 「友言うな、きもちわるい」  では行くか、と二人はアジトとして使用している部屋を後にした。  健一の愛車はホンダの中型スクーター、フェイズ、一方で茂の愛車は、見たことの無い車種だった。  白を基調としたカラーリングで、赤と青の模様が際立っている流線型のフォルムをしている大型二輪、名前はジェットストライダーという。 「おせーぞ、健一!」  走行中、車上から茂が恥ずかしげもなく怒鳴る。 「追いつけるわけねぇ」  250CCのフェイズで爆発的な加速をするジェットストライダーに追いつけるわけが無い。  むしろ、スピード違反だろ!?と思うが、それは知らないふりだ。  この時、時刻は11時半、そろそろ、動き出してもいい時間だ。 「二手に別れよう」  健一が茂に提案した。 「二手に別れて調査、ユニオンブレスに反応があれば即向かう、現場で合流しよう」 「了解した」  茂は、信号が変わったのでジェットストライダーを走らせた。  それを見つめる健一が呟く。 「…切符につきあっとれん、ガソリン代もあるしな」
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