馴染めない男

9/20
前へ
/340ページ
次へ
 しかも、こいつは肩の装甲が反重力を発生させているのか、プカプカ滞空している。 --こっちは相方で飛ぶのがやっとなのによ…!  オニキスは、悪態をつく。  しかも、先の蛇怪人との戦いで体内のナノマシン残量が少ない。  チャージも数分で終わるような都合のいいものではないので、短期決戦といきたいところだ。 「知ってますよ、あなたはさっきまで戦っていたのでしょう」  エクストリームナックルを弾き返したジャルードは、右手甲のエネルギーソードの形状を球状に変えた。 「邪魔です、お眠りになってください」  来る、身構えるオニキス。  オニキスはエネルギー弾をエクストリームナックルで相殺しようと拳を繰り出す。  エネルギー弾がエクストリームナックルによって弾かれ、空中で破裂した。  眩ゆい閃光が辺りを包む。 「あなたは、そちらでお眠りください」  閃光に紛れて、ジャルードがオニキスの眼前に現れる。 「ちぃっ!」  不意をつかれたオニキスは、ジャルードの繰り出すエネルギー弾をまともに受けた。  港の倉庫にオニキスは落下し、倉庫の屋根を突き破り、瓦礫と倉庫内のコンテナに埋もれてしまった。 「さぁ…邪魔者はいなくなりました…参りましょう、皆さん」  ジャルードの宇宙艇が、港に集まった数十人の人間を誘うべく、港に着水した時だった。  轟く爆音、風のように駆けるマシンに乗った戦士が、新京都港に飛び込んできた。 「ハルバートアタック!」
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加