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戦士「アインス」は、愛機ハルバートごとジャルードの宇宙艇に突撃、その船体を風穴を開けた。
「なんと!」
突然の出来事に驚き、狼狽するジャルード、こんな展開は聞いていない。
「お前の思い通りにはさせん、行くぞ」
アインスは、マシンハルバートから跳躍するや、ジャルードに飛び掛かっていった。
「バスタァーパァンチ!」
アインスの剛拳が唸る。
流石に喰らうのはマズイと、ジャルードはエネルギーソードでパンチを受ける。
だが、今まで何百何千という悪を葬ってきた必殺パンチである、アインスの拳はエネルギーソードを叩き割り、ジャルードの胸にそのまま減り込んだ。
「ぐっ…これでは……!」
ジャルードの宇宙艇が再び浮遊し、アインス目掛けて突っ込んでいく。
質量に差がありすぎる、受け止めることは明らかに不可能だ。
「クッ…」
アインスは、ジャルードの体を蹴り、跳躍する事で宇宙艇の突撃を避けた。
「今日は退きましょう」
ジャルードの捨て台詞が聞こえた。
アインスが空を見ると、宇宙艇がジャルード共々消えていた。
「逃げたか…」
アインスは、着地すると人々を一瞥した。
「どこに行ったんだよぉぉ!」
「理想の世界に連れていってくれ!」
催眠が解けていないのか、人々はジャルードを恋しそうに口々に叫んでいる。
泣き叫んでいる者もいれば、その場に崩れ落ち、呆然とする者もいる。
「流石っすね、鹿島さん」
倉庫から這い出してきたオニキスが、アインスに話し掛ける。
「大丈夫か、葛原」
「なんとか」
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