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「くらえ雪乃!!!」
猿野が雪野目指して放ったその炎は先ほどよりも大きい火柱だった。
先ほどまでは猿野は本気すら出していなかったらしい…
でも…
「無意味よ…」
雪乃がボソッとそう呟くとまたしても雪乃に当たる直前には火柱が巨大な氷柱へと変貌していた。
「これでもダメか!?
なら…」
猿野は右手から先ほどまでとは打って変わり小さな火の玉を無数に出し続ける。
「いけ!!!」
そういうとその無数の火の玉は雪乃目掛けて飛んでいく。
「!?」
流石にあれほどの数を凌げるほど敏捷性のある能力ではない雪乃にとって、これには驚いた。
「くっ!」
雪乃はなんとかそれを避ける。
「危なかったわ…
でもそんな直線的な技じゃ当たらないわよ?」
直線的?
まてよ…
まて…よ…雪乃
「まて雪乃!!!
相手の攻撃が直線的だなんて決めつけるな!!!」
それでも遅かった。
何故かって?
それは雪乃の言葉を聞いた猿野は不適な笑みを浮かべ、そこからは余裕すら覚えていたからだ。
「もう遅い!!!」
猿野が右手を何か引っ張るようにすると先ほど放たれた…雪乃の後方にある火の玉は即座に進路を変えて雪乃の背中へと向かっていく。
「え?」
「これなら氷にしても直撃だ!!!
火傷するか、打撲するかどちらにせよダメージは受ける!!!」
雪乃がそれに反応できるはずもなく、後ろを向く頃にはすでに数センチのところまで炎がきていた。
でも…
「残念だけど…
別に氷にする必要なんかないのよねぇ…」
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