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マズい…つうかあの女、人を傷つけるのが平気なのか?
いや、この世界じゃそれが当然か…
オレにはその覚悟すら無かっただなんてな…
「情けねぇな…」
笑いながら…なにか虚しさを感じる猿野に向かって雪乃の放った無数の氷柱が飛んでくる。
ごめんなもも…
オレ…ここで終わるみたいだ。
来渡も千歳も…犬も、悪かったな…
猿野は目を瞑って悟った…が。
「ヌン!!!」
ガツガツ!!!
目を開けるとそこには氷柱ではなく、大男に後ろ姿がそこにはあった。
そして、刺さったはずだった氷柱はポロポロと落ちていき、身体には傷1つない。
そう…その姿は…
「来渡!?」
猿野が驚くのは当然だが、驚いたのはオレや雪乃も一緒だ。
なんせ刺さるはずの氷柱が刺さることがなかったからだ。
いや、刺さるはずというのは可笑しい話だ。
刺さるはずがない…能力者は猿野だけじゃない、鬼塚もその1人だからだ。
「満…逃げろ
ここ…オレの出番。」
鬼塚はそう言うと猿野を突き飛ばす。
猿野はそのまま倒れ、すぐに戻ろうとするが鬼塚の背中を見て、何かを感じ…戻るのを止めてその場を去る。
「ごめん…来渡。
ありがとう…来渡。」
猿野は泣きながらそう叫んで走って行った。
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