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猿野が逃げるのを追いかけようとするが鬼塚が目の前に立ちふさがる。
「ここは通さない。」
無口の鬼塚が仲間の為に身体をはって守る。
やはりこいつはいいやつだ…
仲間なら本当に頼りになるやつ…そう思った。
「仲間ならね…
でも、今は敵よ?」
オレの表情を見て、雪乃が見透かしたようにそう話す。
いや、ようにというか見透かしたと断定できた。
「まぁそんなことより、この人の能力って一体なんなの?
正直あの氷柱が刺さらないとは驚きを通り越して、虚しさすら覚えたわ…」
「あいつは筋力操作っていう自分の筋肉を操作できるんだ。
例えば足の筋肉を胸筋に移し替えしたりできる。
多分、お前の氷柱も鬼塚の圧縮された筋肉の前には刺さりすらしなかったってことだろ…」
「なるほどね…」
「話し…長い!!!」
鬼塚はその言葉と同時に圧縮した右腕を振り下げる。
それをおれと雪乃は二手に別れるように避ける。
はずれた腕は地面に向かい、そのまま地面を抉る。
「待って…あんなの受けたら…」
雪乃が抉られた地面を見て驚きながら尋ねる。
「まぁ…当然一発だよなハハ」
オレは笑ってごまかした。
まぁそれくらってるんですけどね…
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