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雪乃には何が起きたのかこと細かに分かっていた。
あのとき…オレに囁いた言葉の正体は当然、霧崎佑助だった…
つまりだ…
「ソラ!!」
立ちながら、ボーっとしているオレに近づいてきたのはオレ達の学級委員長で…いや今は生徒会長か…
そしてオレの幼なじみで恩人である篠原晴美だった。
「は…晴美?」
視界がぼやける中、なんとか声で晴美だと判断したオレ…
晴美は反応したオレを抱きかかえるがその反動でオレはそのまま倒れそうになる。
「おっと…あぶねーなソラ
いてて…一応これでもけが人だぞ?
敬えよな♪」
後方を見ると支えてくれたのは親友である大河雷斗だった。
その姿は包帯で巻かれ、ボロボロだということがすぐに認識できた。
「だっ…大丈夫ですか雪乃…さん」
テンパる二重人格の霧崎佑助は雪乃にオドオドしながら手を差し伸べる。
雪乃はその手を握り立ち上がるが、その際にこう言い放った。
「あなた達…なんできたの?
来るなって言ったじゃない。
特に…篠原晴美」
睨みつけながら話す雪乃に晴美は雪乃に近づいてこう話した。
「私達…友達でしょ?
あなたはひとりで抱え込み過ぎ…
もっと頼っていいのよ…」
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