2.脱落

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「まぁそんなこと今はどうでもいい。 鬼塚来渡…あなたをアノ部屋に連れて行きます。」 「アノ部屋…? どういう意味だ?」 オレが尋ねるとQはため息をつく。 先ほど、雷斗、雪乃、犬に説明したので少々めんどくさがっているようだ。 「アノ部屋とはアノ部屋という名の部屋です。 そこには今、郷田犬が監禁されています。 …よかったですね…鬼塚来渡。 あなたもお仲間の部屋に行けますから… まぁ…部屋は同じですが、別の部屋と考えたほうが妥当です。」 同じ部屋だけど別の部屋? 一体どういう意味だ? 誰もがその言葉に疑問を抱いたが聞くものもいなかった。 「では連れて行きなさいJ。」 QがそういうとJは無言のまま鬼塚を連れて行く。 鬼塚は抵抗出来ずにそのまま連れて行かれる。 「鬼塚…」 オレはそう呟いたが、これ以上言葉を出すのは止めた。 同情はこの世界に置いて、全く無意味の感情だと思い出したからだ。 敵は敵…味方は味方… ただそれだけだ。
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