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急げ急げ急げっ!
皇帝陛下がお待ちかね!
遅刻したら胴体と頭がさようなら!
さぁ!急げ急げ急げっ!
少年は急いで走ってた。
まだ名前もないこの体さんとさよならしない為に。
しばらく黙って走っていると、立派な城が見えて来た。
『あそこに行けば、僕の名前があるんだね』
約束の時間には何とか間に合いそうだ。
ー良かったねー
息が苦しくて肩で息をしていると、あの囁きが聞こえて来た。
『キミの名前…教えてくれないかな?』
ーダメなんだ…
早く 思い出してねー
囁き声は止み、辺りは静まり返った。
『名前…これを貰えば僕は何か思い出せるの?』
誰もいない空に質問を投げてみた。
だが、返事が帰ってくる事は無かった…。
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